わたしとあなたのホームシアター

北欧好きが自宅で映画を満喫する

世界を知るための映画鑑賞。地域研究という視点から北欧映画を見るということ

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このブログでは、様々なことを好きなように書いてはいますが、一番多いのは、北欧映画やドラマについての紹介記事かと思います。何故、私がここまで北欧映画にこだわっているかというと、単に北欧映画が好きとか、北欧映画の良さを伝えたいとか、そういうことではありません。

 

私が北欧映画を見続けている最大の理由は、北欧映画から北欧について学ぶためです。そして、それを記事にするのは、映画を見ただけで終わらせるのではなく、映画から得た学びを自分なりに吸収してまとめる、いわばアウトプットの場としてブログを活用するためです。

 

例えば、映画のストーリー、歴史、衣装、インテリア、言葉遣い、登場人物の設定など、様々な事柄を通じて学べることはたくさんあります。もちろん、映画の作り手や観客の眼差しがある程度映画に反映されるため、演出上、映画で描かれていることが全てだとは思いません。しかし、それらも含めて映画から得られることは多いはずです。

 

ある国や地域について知りたいとき、それについて知るためには、現地へフィールドワークに行ってみるのが、一番いいかもしれません。現地に行って初めてわかること、理解できることが山のようにあるからです。しかし、現地へ行けないからといって、その国や地域について知ることが出来ないかというとそういうわけではありません。おうちに引きこもっていても学べる方法はたくさんあります。私にとって、その方法が映画でした。

 

エンターテインメントとして映画を見るのも、もちろんOK。しかし、視点を少し変えながら映画を見ても面白いかなと感じます。遠くの地域や他の国に簡単に行けなくなってしまった現在だからこそ、世界を知るために映画を見るという選択を強く提案したい。

 

 

【目次】

 

 

地域研究とは

 

世界を知るための映画鑑賞のベースにあるのが、地域研究という視点。あまり聞きなじみがないかもしれませんが、学問分野の1つです。本当に簡単にざっくり説明すると、地域研究とは、ある国や地域の政治、経済、文化、歴史、社会、教育、価値観などを研究し、その対象地域の固有性や特異性から他との共通性や相違性を理解&分析する学問です。英語では、エリアスタディーズと言われたりします。

 

地域研究を志す人のための入門書もあります。

 

例えば、観光という観点以外で、ノルウェーについて幅広く知識を知りたいと思ったとき、以下のようなノルウェー研究の入門書を読んでみると、得られる知識も多い。

 

歴史的な事柄や文化的側面による描写など、様々なお国柄的な情報が詰まった映画作品。(個人的意見にはなるが)これらの映画作品を、学びのきっかけにするというのは、地域研究を進める上で相性が良い。

 

余談ですが、私の大学の専攻は、東アジアの地域研究でした。とはいえ、対象地域が全く異なるので、北欧についての知識は皆無に等しく、正直、私が今やっている“北欧研究”は、全くアカデミックなレベルではないですが、大学での学びの経験がベースにあることは間違いありません。

 

 

映画からわかる北欧のこと

 

北欧の歴史

 

日本で生活をしていると、北欧のことを学ぶ機会は非常に少ないです。特に歴史については、なかなかアクセスするチャンスがないように感じます。知りたいと思っても、まず何を調べたらいいかそれすら検討もつかなかったりしませんか?そういうときこそ、映画をとりあえず見てみて、時代背景、歴史の内容、人物の情報を得て、そこから自分で知識を深めるということもできます。

 

特に、北欧関連の映画では、第二次世界大戦にまつわる作品が多く制作されています。ソ連やナチス・ドイツの侵攻によって、第二次世界大戦中、非常に苦しい時を過ごした北欧ですが、こういった北欧の歴史は、日本の歴史教科書では語られることはありません。

 

例えば、「ヒトラーに屈しなかった国王」では、第二次世界大戦中に、ナチス・ドイツからの攻撃に抵抗したノルウェー国王の姿が描かれています。

 

 

また「ヒトラーの忘れもの」も衝撃的な歴史映画です。第二次世界大戦中、デンマークを占領したナチス・ドイツが、デンマークに大量の地雷を埋めたのですが、戦後デンマークに残されたドイツ人少年兵たちに、地雷撤去を強制させるんです。そんな戦後実際に起こった話を基に制作された「ヒトラーの忘れもの」では、地雷撤去という戦後処理の問題と、元敵とはいえ罪もない子供たちに地雷撤去をさせるという苦悩の狭間に揺れるデンマーク将校の様子が描かれています。

 

 

戦争の歴史だけでなく、先住民の歴史も映画から知ることができます。「サーミの血」という映画では、北欧の北部、ラップランド地方の先住民族、サーミ人の少女が主人公。舞台は、1930年代のスウェーデン。まだまだ色濃くサーミ人への差別が残るスウェーデンで、サーミ人の少女が受けた差別や葛藤が描かれています。

 

例えばですが、「サーミの血」を見て、それまであまり知らなかったサーミ人についてもっと知りたくなったら、以下のような本を読んでみてもいい。こういったように、映画をきっかけに情報を得れば、次への学びのキーワードを選定することだって可能。本を読んでみて、もっと知りたくなったら、その本の著者の他の本を読んでみたり、その本の中で紹介されている参考文献リストから他の研究者の本を読んでみたり…と次につなげることだってできる。

 

 

 

 

紹介した作品の詳細は、こちらから

www.natsuminscandinavia.com

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北欧出身の著名人の人生

 

北欧出身の著名人の半伝記的な映画も北欧を知るという点で、おすすめ。北欧諸国内では有名な人でも、日本では、それほど知名度が高くない人も多い。しかし、映画のおかげで、主人公となる人の存在や業績などを知ることができる。さらに、映画を通じて、主人公が生きた年代の服装、音楽、人の振る舞い、建築、インテリアなど、当時の北欧の人の生活ぶりも垣間見ることができるのも見ていて面白いですよ。

 

例えば、スウェーデン出身で1960年ごろに活躍したジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの人生を描いた「ストックホルムでワルツを」や同じく1960年代に活躍したフィンランド人プロボクサー、オリ・マキの実話を描いた「オリ・マキの人生で最も幸せな日」は、おすすめの作品です。

 

どちらも1960年代の北欧が舞台になる映画です。人々のファッションや生活様式が、北欧ぽいけど、非常にレトロ。1960年代の空気感が駄々洩れしていており、当時は北欧の人は、こんな感じで生活していたんだな~ということを考えながら鑑賞できます。 

 

映画を見て、時代ごとの北欧インテリアの歴史について興味がわいてきたので、デザインの歴史についても勉強を始めました。

 

 

紹介した映画の詳細は、こちらから

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北欧の自然やスピリット

 

北欧は、壮大で美しい自然が魅力的な国。その美しい自然の様子や、自然とともに生きる北欧人の精神にクローズアップした映画も多い印象を受ける。こういった映像作品は、非常に北欧らしい作品であるな~と感じる。

 

例えば、ネイチャードキュメンタリー映画「グリーン・アース」では、フィンランドの美しい森の四季の様子を見ることができます。この映画の面白いところは、ナレーション!美しい自然の映像に対して、その気象現象に関する解説だけでなく、北欧の人たちがどのようにして森と共存してきたか、それにまつわる北欧神話、逸話、精神についての解説がなされています。同じ森に対する価値観も、日本と北欧とでは随分違うのだなということがわかるので、非常に勉強になりました。

 

「The Spirit Of Flatness」は、フィンランド人プロスノーボーダーたちと、フィンランドの奥地に眠る最高の雪山を目指すドキュメンタリー映画。雪国のフィンランドで生まれ育ったプロスノーボーダーが抱く雪や自然に対する価値観や精神を、彼らのパフォーマンスを通じて感じることができる良作です。

 

日本も自然が豊かな国です。しかし、北欧の自然と日本の自然そのものが異なるように、自然に対する価値観や向き合い方も、日本と北欧では異なります。現地に行かなくとも、そういう点を知ることができるのが、映画の良いところですね。

 

 

紹介した映画の詳細は、こちらから

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北欧の俳優やアーティスト

 

北欧関連の映画やドラマを見ると必ず細かくチェックするのは、出演している俳優さんと劇中で使用されている曲やアーティストについて。

 

制作側もキャスティングは命がけであると思う。北欧作品では、人気と実力を兼ね備えた俳優が起用される傾向が強いため、北欧では現在どういった感じの人に人気があるかといった大衆の関心を追うことができる。

 

例えば、ノルウェーの例だと、2015年から国内で放映された「SKAM」というドラマシリーズに出ている俳優が、近年主役級の役柄でキャスティングされているケースが多い。この「SKAM」というドラマは、世界各国で人気がでた現代ノルウェーを代表するヒット作だ。Netflixオリジナル作品「ラグナロク」では、主役のマグネ役をDavid Stakston、準主役のフィヨル役をHerman Tømmeraas、サクサ役をTheresa Frostad Eggesbøが演じているが、3人とも「SKAM」出身。同じくノルウェー作品「ダンスバトル」では、Lisa Teigeが主演だが、彼女も「SKAM」出身だったりする。

 

北欧出身のアーティストによる楽曲が劇中歌として使用されるケースが非常に多い。音楽配信サービスのSpotifyでは、世界のどこかのユーザーが、プレイリストを作ってくれているので、映画の作名で検索すれば、作品の劇中歌がまとめられたプレイリストを簡単に見つけることができる。海外のアーティスト情報を追うのもそう難しくない。

 

こうやって俳優やアーティストの存在を知ると必ず彼らのSNSをフォローするようにしています。何故なら、彼らが一体SNS上でどんな発言をしているのか、それに対して周りがどのような反応をしているのかということを知ることが出来るからです。

 

もちろん、著名人のSNSでの発言や目に見えるムーブメントだけが、全てを表しているとは思いません。しかし、彼らの発言やそれらに対する反応って、多少は、今の世の中を反映している部分もあるのではないかなと感じます。北欧内で関心が高い事柄や実際に起こっているムーブメントの様子、生活の仕方など、北欧社会に関する様々なヒントをSNSから考察することも可能です。

 

Netflixのキャスティングは、次世代のスターをスター街道へと引っ張り上げるパワーが強いと感じます。北欧の俳優さん誰がいるのかわからないって人は、とりあえず北欧発のNetflixオリジナル作品見といて!流行りの俳優が、だいたいわかる。Netflix では、北欧芸能沼が整備されつつあります。

 

紹介したNetflix オリジナル作品の詳細はこちら

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まとめ 

 

マニアックすぎるから今回は省略しますが、例えば、恋愛の描かれ方、ストーリー展開の仕方、セリフの言い回し、キャラクターの立ち振る舞いなど、細かい部分を見ていけば、もっと深掘り分析も可能。

 

たかが映画、されど映画。私は、今年ノルウェーに行けなかったけど、北欧映画からたくさんの学びのヒントを得て、学びの原動力にすることができました。 

 

今は海外にいってフィールドワークは、なかなか難しいですが、視点を変えれば国内でもおうちでも学べることが多いはず。

 

 

おすすめの北欧作品は、まだまだあるよ

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