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突然妻に出ていかれた男が、育児と仕事の両立に追われる姿を描いた映画「パパは奮闘中!」を見た感想!

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今回もEUフィルムデーズ2020オンラインから映画を見ました!前回に引き続き、お得に作品購入したCパックより作品を紹介します。

 

これまでに見た作品はこちら↓↓

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今回紹介するのは、ベルギーとフランス合作映画の「パパは奮闘中!」。家事や育児のワンオペに疲れ果てた妻に突然出ていかれ、子育てと仕事を両立せざるを得なくなったパパの物語。「パパは奮闘中!」という邦題と作品のビジュアルや予告編のテンションから作品のテイストをある程度想像してはいたのですが…。想像していたストーリー展開と全く異なっていて、正直そのギャップに驚いた作品…。ココだけの話、もっと別の邦題なかったんかな…と思っています。

 

先日紹介した「頑固じいさんとしあわせな時間」のように、家族愛に溢れてほっこりみたいな映画ではありません。正直、主人公の設定が、個人的にはめちゃめちゃモヤモヤしちゃって、主人公のこと全然応援できなかった…。しかし、これはこれで、非常に現実的な描写だと思いました。長年培ってきた考えや行動を簡単に変えることができないのが人間だし、一人でできることにはキャパシティーがあるもの事実。そのあたりをきちんと描いているので、非常にリアリティーがありました。社会の抱える問題を家族という観点から現実的に捉えた作品。どの立場の人から見ても、グサッと刺さる映画と思います。

 

【目次】

 

 

 

作品紹介

 

 

「パパは奮闘中!」(原題:Nos Batailles)

*原題は直訳すると、「私たちの闘い」という意味だそうです。

制作:2018年

時間:99分

音声:フランス語

字幕:日本語

 

 

 

あらすじ


映画『パパは奮闘中!』予告編

物流倉庫のチームリーダーとして仕事に励むオリヴィエ。仕事が忙しく、家事や子育ては、妻のローラに任せっぱなしにしていたが、家族で幸せに暮らしていたと思っていた。しかし、精神的に限界を迎えたローラは、突然家出をして、行方不明となる。残業が多く、過酷な労働環境で働くオリヴィエは、ベビーシッターを雇うお金もなく、仕事と育児の両立は困難を極める…。

 

 

登場人物

 

登場人物を紹介します!

 

オリヴィエ

オンライン販売の物流倉庫で働く2児の父。過酷な勤務状況を強いられているため、朝早くから夜遅くまで働き、家のことは、妻のローラに任せっぱなし。子供の服の着せ方もわからないし、料理も全くできず、子供たちにシリアルを出すしかない状況。ローラの家出の原因が全く分かっていない状態。

 

オリヴィエ役を演じたのは、フランスの大スター、ロマン・デュリス!数々の大ヒット作に出演しており、日本で有名どころの作品でいうなら「タイピスト!」にも出演しています。

 

ローラ

アパレルショップで働きながら、家事や子育てをほぼ一人で行う。精神的に病み始めていたが、オリヴィエに相談することができずにいた。家出の前日には、職場で突然倒れたり、一人で泣き始めるほど、精神的に限界を迎えていた。

 

 

 

感想

 

家のことは妻に任せっぱなしの夫、オリヴィエ

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劇中のオリヴィエの様子から明らかなのは、結局のところ、オリヴィエは、仕事を言い訳にして長い間、家族のことをないがしろにしていたことだと思う。オリヴィエ自身は、そのことに全く気が付いていなかったわけだが…。仕事も育児もどちらも責任があって、ストレスのかかることだ。仕事の方が偉いとかそんなことはない。どちらも同じように重要。家のことは妻に任せっぱなしで、妻の悩みに全く気が付くことができなかったのは、オリヴィエの態度にも問題があったと思う。

 

ローラの家出後、オリヴィエの母親や妹に家の面倒を見てもらうわけだが、母や妹からは、仕事三昧で家庭にいなかったオリヴィエの父親とそっくりだと言われる始末。オリヴィエの家族や仕事に対する価値観っていうのは、きっと幼い頃から似たような父親を見て培ってきたものなのかもしれないなと感じた。さらに、オリヴィエの根底にそういった家族に関する価値観が流れているんだろうと実感したのは、子供たちの面倒を見てくれていた妹に対する発言。よくもあんな発言できたものだ…と思うけど、ぽろっと出てしまった言葉こそ、彼の本心というか家族関係や妻に対する価値観を表しているのだろう。同僚との関係とかもマジでありえなかった…。オリヴィエの弱さっていうかそういうものを垣間見たと思う。

 

この映画は、妻の家出を通じて、育児と仕事の両立に奮闘していく父親の成長が描かれているような感じが一見するが、それよりも、妻の家出という危機的状況においても、人の根底にある価値観や本質を変えることはできないということが浮き彫りになっているのではないかなと感じた。オリヴィエには、共感ができなかったが、その姿は、あまりにリアルだったのかなと思う。

 

 

過酷な労働環境で搾取される低所得者層のオリヴィエ

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オリヴィエを擁護する派ではないが、オリヴィエが置かれた過酷な労働環境とオリヴィエの役職などは、少なくとも彼と家族との関係に大きな影響を与えたのは確かだと思う。

 

オンライン販売の倉庫では、作業効率だけを求めて従業員がリストラに合う日々。チームリーダーとして、仲間の雇用を維持し、労働環境改善を求めるために、組合運動にも身を削るオリヴィエ。さらに、長時間労働は当たり前だけど、働いても、働いても生活に余裕がない姿が描かれている。つまり、オリヴィエは、低所得者層に属しており、安い労働力として社会に搾取されていたのだ。

 

映画で描かれているような環境下で、ずっと働いていると、働くだけで精いっぱいになってしまうのも無理はないところがあると思う。もちろん、だからと言ってオリヴィエの態度や考えを擁護するわけではないが、オリヴィエとローラの夫婦関係が破綻してしまったのは、ある意味では、彼らが、社会構造の犠牲になってしまったからかもしれない…。もっと労働環境や労働条件が良ければ、オリヴィエとローラの関係は、ここまで悪化することはなかったのかなと思うと、非常に切なかった。しかし、似たような話は、山のように現実世界に存在しているのだと思う。

 

 

 

まとめ

 

家事全般を担当していた妻がいなくなったからって、「じゃ、育児頑張ります!」って急に完璧な父親になれないのは、普通だと思う。妻をそれほど追い込んでしまった背景に存在していたオリヴィエの価値観も急に変えられるわけではないし、そのあたりが非常にリアルに描かれているのは、評価できました。正直、邦題のテンションからは、想像もできなかったストーリー展開には驚いたし、「奮闘中!」って感じじゃないで!ってツッコミ入れたくなったけど、非常にリアリティーに溢れていたシーンが多かったと思う。日本も長時間労働や家事分担などに関して、映画と似たような問題を抱えていると思う。性別や立場に問わず、見る人すべてに強くメッセージを突き刺すような映画でした。

 

パパは奮闘中!(字幕版)

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  • 発売日: 2019/11/06
  • メディア: Prime Video
 

 

 

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なつめ