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毛むくじゃらで生まれた少女を描くノルウェー映画「らいおんウーマン」を見た感想!

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読者の皆さんはご存知の通り、映画の知名度関係なしに手当たり次第、北欧作品を見ている弊ブログ。ノルウェーの映画で、まだ日本では劇場公開されていない作品が、Netflixで見ることができることに気が付き、作品を視聴しました!

 

その名も「らいおんウーマン」という映画。舞台は、1912年のノルウェー。生まれたときから全身が毛で覆われた少女の物語です。俗にいう多毛症と言われるような症状を持って生まれてきた少女の見た目は、まるで動物のようで、常に差別やいじめの対象となります。暗いお話の映画なのかなと思っていましたが、暗いだけじゃなくって、希望を持つことができる内容。少女の前向きに人生を歩む姿が非常に印象的で、最後はジーンとしました。海外での評価も高い映画のようですが、それも納得。

 

【目次】

 

 

作品紹介

 

「らいおんウーマン」(原題:Løvekvinnen)

時間:117分

制作:2016年

音声:ノルウェー語(英語、ポルトガル語も選択可能)

字幕:日本語(英語、ポルトガル語、中国語も選択可能)

 

Netflixにて視聴可能!

 

 

あらすじ

 


THE LION WOMAN Bande Annonce (2018)

1912年のノルウェー。予定日よりも早く産気づいてしまった妊婦から生まれた子供は、全身に毛が生えた状態だった。周囲とは、異なる見た目であるがゆえに、いじめられたり、差別を受けたり、見世物の対象となってしまう。しかし、少女は、乳母、父親、周りの支えによって、困難を乗り越えていく…。

 

オフィシャルなサイトで予告編あげているのを、フランス語字幕がついたものしか見つけられなかったので、これで勘弁してください。ごめんなさい!

 

登場人物 

 

登場人物を紹介します!

グスタフ

駅長。妻を亡くし、さらに毛むくじゃらで生まれてきた娘のことを受け入れきれない。娘の容姿が差別の対象になると悟ったグスタフは、エバを家に閉じ込め、人目に触れないようにする。

グスタフを演じたのは、スウェーデンの名優Rolf Lassgård(ロルフ・ラスゴード)。スウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」に主演しています。「幸せなひとりぼっち」も良い映画だった。

 

www.natsuminscandinavia.com

 

ロルフ・ラスゴードが、おじいさん俳優なので、物語冒頭の若い頃のシーンから既におじいさんに見えちゃって、視覚的に少し困惑しました。

ロルフ・ラスゴード、ごめんなさい…。

ココだけの話、妻役のルースが若めだったので、夫婦というより娘と父に見えた。ストーリー進むと、年相応になってきたけどね。

 

ルース

グスタフの妻。雪道ですべってこけたことで、予定より早く産気づいてしまう。エバを出産するも、その後亡くなってしまう。

 

エバ

生まれつき、体中に毛が生える体質の少女。外の世界に興味があり、数学が得意。

 

ハナ

産後3日後に、我が子が亡くなり、父親は不明で、家族にも見放された17歳。グスタフに雇われ、エバの乳母の仕事を引き受ける。

 

 

感想

 

たくましく美しく成長するエバの姿に涙

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周囲とは異なる見た目のせいで、幼い頃から困難が多いエバ。彼女がいじめにあう様子や、町中でうわさされる様子、学者から見世物のように扱われる様子などが描かれており、見ていて気持ちがどんよりしてしまうような描写も一部ありました。

 

北欧の先住民族を描いた「サーミの血」という映画を彷彿させるかのような描写もありました。「サーミの血」の舞台になったのは、1930年代のスウェーデン。「らいおんウーマン」で描かれる時代と重なります。他と異なるということが差別の対象になる…今もそういった差別が完全になくなったわけではないと思いますが、この時代は、そういった差別意識がよく根深く残っていたのかもしれません。

 

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ひどい差別を受けるエバですが、彼女を支える周りの存在によって、強くたくましく成長していきます。特に、彼女の乳母役であるハナの存在が大きかったと感じます。エバのことを見ためで判断せず、なるべく外の世界に連れ出してあげたいと考えるハナ。雇用主でもあるグスタフにも、エバについて強気で交渉を持ち出すハナのたくましい姿にも心を打たれました。一番近くにいる女性の存在によって、エバの中で、たくましい女性像をイメージさせることができたのだと感じます。

 

物語の後半、エバは人生の生き方を自身で選択していくのですが、ここからが本当によかったです。若干、駆け足でラストシーンまで来てしまうのが、残念すぎるぐらい…。もう少し丁寧に描いてもよかったのかなとも思いました。ありきたりで残念なストーリーに進みかけるのか…と一瞬思いきや、希望を与えてくれるラストに向かって、進んでいきます。

 

 

不器用な父親との親子関係

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父親であるグスタフは、毛むくじゃらで生まれてきた娘を受け入れることをなかなかできずにいました。エバを家に閉じ込め、人目に触れさせないようにして育てていきます。父親なのに、娘に対して、非常にきつい態度をとるので、見ている視聴者もつらくなるシーンもたくさんあります。しかし、そのような態度をとるのも、エバを周囲からの強い差別から守ろうとする愛ゆえの決断だったのかもしれないと映画を見ていて、思いました。

エバへのプレゼントを選んであげる際の嬉しそうなグスタフの顔やハナの提案でエバの希望を叶えてあげようとするシーンなどからは、娘を大切に思う1人の父親の姿を感じることができました。特にラストシーンで、グスタフのエバに対する愛情を視聴者は実感することになります。彼は、ただただ不器用で、娘に対する愛情表現が下手な父親だったのですね…。ラストシーンに涙する人も多いのではないのかなと思います。

 

 

まとめ

 

日本では公開されていない作品ゆえに、かなり知名度も低いかもしれませんが、おススメできるノルウェー作品です。

作品の中ででてくる女性は、非常にたくましく自立しています。今や男女平等を勝ち得た北欧社会からみた視点が、そういった女性キャラクターにも反映されているのかなとも感じました。

日本未公開作品に対しても、きちんと字幕を付けて配信してくれるあたり、有難いですね。Netflixのすごいところだと感じています。

 

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なつめ