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デンマークに残された地雷を取り除くドイツ人少年兵を描く歴史映画「ヒトラーの忘れもの」を見た感想!

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第二次世界大戦を取り扱った映画というものは、毎年のようにどこかの国で制作され、後世にその歴史を伝える役割を果たしている。

しかし、立場の違うものが制作すれば、それらで描かれる世界は、観客自身が持ち得ている世界と異なる。何故なら、それぞれの国が、それぞれで後世に伝えるべき悲しい歴史を持っているからだ。「ヒトラーの忘れもの」という映画で描かれている歴史も私の知らないもので、私の知識不足を改めて感じさせるものであった。

 

「ヒトラーの忘れもの」は、第二次世界大戦後に、デンマークに残された地雷を除去するドイツ人少年兵たちを描いた作品。彼らは、戦後200万個以上の地雷撤去作業にあたり、半数以上が作業中に死去するか重傷を負ったという。

 

本作の舞台は、第二次世界大戦後のデンマーク。

第二次世界大戦中、デンマークを5年間占領したナチス・ドイツは、デンマークの海岸線に大量の地雷を埋め、英米軍の侵攻に備えた。しかし、その多くの地雷が、戦後もデンマークに残ったままとなったという歴史的背景があります。

 

母国の罪を償うために、地雷除去という危険な作業を強制させられたのは、素人の少年兵たち。無責任な大人たちが始めた戦争の罪を償うのに利用されたのは、罪もない子供たちであったんです。こんな無責任なことがあるのでしょうか…。でも、これは現実に起こったことなんです。

 

時代背景や環境は全く異なるが、似たように戦時下のアフガニスタンの少女を描いた「ブレッドウィナー」も、戦争という悲劇に振り回される弱い立場の女性や子供が描かれていて、勉強になりました。

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「ヒトラーの忘れもの」内での描写は、生々しく過激なものが一部あり、衝撃が大きかったです。例のごとく、私は、作品に自身の感情を持っていかれやすいタイプなので、この映画を見た後、相当落ち込みました。しかし、これは現実に起きたことと考えると、目を背けてはいけないという気持ちになりました。

 

戦争の惨さを改めて感じる映画です。

 

【目次】

 

 

作品紹介

 

「ヒトラーの忘れもの」(原題:Under sandet / Land of Mine)

制作:2015年

時間:100分

音声:デンマーク語・ドイツ語

字幕:日本語

分類:戦争、歴史映画

 

 

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あらすじ


映画『ヒトラーの忘れもの』予告編

1945年5月、第二次世界大戦のドイツ降伏によって、5年間のナチス・ドイツによる占領から解放されたデンマーク。当時、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中にデンマークに埋めた地雷が、海岸線を中心にたくさん残されていた。デンマーク側に引き渡されたドイツ兵捕虜が、この地雷撤去の作業に当たることになる。しかし、この危険な作業に派遣されたのは、地雷撤去素人の15歳から18歳の若者ドイツ兵だった…。

 

 

登場人物

 

登場人物を紹介します!

ラスムスン軍曹

デンマーク人軍人。ドイツ少年兵を率いて、地雷撤去作業を率いる。ナチス・ドイツをひどく恨み、ドイツ少年兵に対しても罵声や暴力を浴びせるほど。

 

セバスチャン・シューマン

地雷撤去にあたるドイツ少年兵の一人。純粋な心をもつ彼は、ラスムスン軍曹から信頼される。

 

エルンスト・レスナー&ヴェルナー・レスナー

双子のドイツ少年兵。兄弟で助け合う。

 

 

感想

 

第二次世界大戦後のデンマークにおける悲しい歴史

 

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北欧の歴史について、まだまだ勉強中の私。今回の映画のモチーフになった地雷撤去の話は、本当に知らなくて、自身の知識不足を実感しました。

幸せな国ランキングで常に上位にランクインしている北欧、デンマークのイメージからすると、どうしてもこういった負の歴史が対外的に語られるチャンスが少ないかもしれませんし、想像すらつきにくいかもしれません。

第二次世界大戦を描いた映画やドラマでは、登場人物を善と悪で二分して描くことがどうしても多くなりがちだと思います。物語の性質上、仕方のないことかもしれませんが、善と悪という構造に登場人物を落とし込むと、本作のテーマのような歴史は、人々に語り継がれることのない歴史となりえる可能性もあるかなと思います。

 

母国が占領した土地に埋めた地雷を撤去しなければならなかった少年たち。無責任な大人が始めた戦争の代償を払うには、明らかに理不尽な任務なのではないでしょうか。戦争は終わったのに、異国で地雷を踏んで死んでいった少年たちを思うと、あまりにも残酷で悲しすぎる歴史だと感じます。

 

敵を赦すということ

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この映画では、デンマーク人軍人のラスムスン軍曹の葛藤が描かれています。映画冒頭のラスムスン軍曹は、ドイツ兵たちに強い怒りを表します。それもそのはず、ドイツ兵たちはナチス・ドイツ軍として長年デンマークに試練を与えてきた敵であったからです。戦争が終わったからといって、気持ちの整理がすぐつくというわけではありません。とはいえ、軍曹も一人の人間。悪環境の中、危険な作業を強いられ、時には地雷で命を失う少年兵たちを見ていくうちに、戦後の罪の償い方に疑問を抱いていく軍曹の様子が見事に描かれています。

 

戦時中、ナチス・ドイツが行ってきたことは、決して評価されるべきものではありません。長年、ナチス・ドイツからひどい目にあってきたデンマーク人が、当時、ドイツ人に対して憎しみを抱くのは、ある意味、普通の感情かもしれません。ナチス・ドイツが地雷を埋めたのだから、ドイツ人が地雷撤去を行うのは当たり前かもしれません。でも、だからと言って、地雷撤去の経験が少ないドイツ人の少年たちに危険な地雷撤去の作業を強制させて、罪を償わせるという行為は、正しい戦後処理のやり方だったのでしょうか。たしかに少年たちはドイツ人だったけど、彼らもまた戦争に振り回された犠牲者の1人だったのではないでしょうか。

 

そう思うと、「敵を赦す」という行為の難しさを感じます。自身の立場からすると、敵が憎いかもしれませんが、今回の場合であれば、その敵も、実は自分たちと同じような犠牲者であるかもしれません。

さまざまな葛藤を経て、ラスムスン軍曹は、彼なりの方法で、敵であった少年兵たちを「赦し」ます。ラストシーン、本当にグッときました。

 

 

まとめ

 

私たちは過去の歴史から、多くのことを教訓として学ぶことができる。歴史から学ぶのは、非常に重要だと思う。しかし、自身の主観的な立場だけで、歴史をいいように読み解くと、「ヒトラーの忘れもの」で登場したドイツ人少年兵たちのような存在を見逃してしまう恐れがあるのかもしれないと、映画を見て感じた。彼らは、確かに、デンマークにとっては、敵の一味だったけど、彼らもまた戦争に翻弄された人々だったのだから。

 

もちろん、大戦中、日本だって他国に対してひどいことをたくさんしてきた。私たちだって、学ぶべき私たちの歴史が山のようにあるが、他国の歴史からも学べることはたくさんあると感じる。

 

描写がかなり過激で衝撃的なものが多いので、ご体調の良い時に、是非ご覧ください。

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なつめ