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隣人との交流があたたかいスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」を見た感想!

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「幸せなひとりぼっち」の主人公オーヴェは、共有住宅地のルールを監視し、少しでも規則を破ると周りの住民に厳しく当たるし、商品やサービスに不満があれば、お店の店員にクレームを言って怒鳴ったりもする。非常に厄介で、周りからも変人扱いされているおじいさんだ。

 

「幸せなひとりぼっち」は、スウェーデンの映画だけど、オーヴェのようなおじいさんを日本のどこかで、見たことがあるような気がした。誰しも人生で一度は、オーヴェのようなめんどくさい感じのおじいさんに遭遇したことがあるのではないだろうか。

 

特に、冒頭のシーンで受けるオーヴェの印象は、あまり良くないが、物語が進むにつれて、その印象は変化していき、彼の人間力がこの映画の見所であったと気づかされる。最後のシーンは、感動して涙した。

 

ノルウェー映画の「ハロルドが笑う その日まで」も長年連れ添った妻に先立たれ、仕事もなくし、生きる希望を失う老人が主人公の映画だ。隣国のスウェーデンの作品である「幸せなひとりぼっち」と主人公の状況が重なる部分があるが、それぞれ全く異なる老人を描き、それぞれ美しかった。

 

 

www.natsuminscandinavia.com

 

 

「ハロルドが笑う その日まで」は2014年制作、「幸せなひとりぼっち」は2015年制作で、ほぼ同年代の作品。ほぼ同時期に、似たような主人公が登場する映画が北欧から流行ったのは、年老いた主人公たちにどこか共感する人が多かったからなのかもしれない。見比べてみるのも面白いかも。

 

【目次】

 

 

 

作品紹介

 

「幸せなひとりぼっち」(原題:En man som heter Ove)

制作:2015年

時間:116分

音声:スウェーデン語(日本語吹き替え版あり)

字幕:日本語

分類:ヒューマン&コメディ映画

原作:フレデリック・バックスマン著「幸せなひとりぼっち」ハヤカワ文庫(世界で250万部以上の大ヒット作品)

 

hitori-movie.com

 

DVD購入、もしくは、Netflixかアマゾンプライムビデオでも視聴可です!

 

 

 

あらすじ

 


不機嫌じいさんが…!映画『幸せなひとりぼっち』予告編

 

長年連れ添った妻を亡くしたばかりの59歳のオーヴェ。長年勤めた会社もクビになり、人生に落胆。妻の後を追うことを決意。家の一室で自殺を図るも、隣に引っ越してきた家族が通行禁止の道に車で侵入し、自身の郵便受けに車をぶつける始末。見ていられなくなったオーヴェは外に出ることに。

望まれていない共同住宅地の見回りを厳しく行い、周囲から疎まれて、心を閉ざしているオーヴェだが、隣に引っ越してきた家族との交流を経て、次第に心を開くようになる…。

 

 

登場人物

 

登場人物を紹介します!

 

オーヴェ

他人に厳しく当たる不機嫌な59歳のおじいさん。妻に先立たれ、長年勤めた会社もクビになる。母親を幼いころになくし、無口で厳格な父親の元で育った。父が車の修理が得意であったため、車について詳しく、モノづくりや修理が得意になる。不器用だが、非常に正義感が強い。

 

ソーニャ

オーヴェの妻。元教師で、生徒からの信頼が厚い。

 

パルヴァネ

イラン出身。スウェーデン人の夫、娘2人とオーヴェの向かいの家に越してくる。現在、妊娠中。明るい性格で、気難しいオーヴェに対しても、積極的にコミュニケーションを図る。

 

 

 

感想

 

オーヴェが歩んできた人生と彼の人柄

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劇中のオーヴェ、特に冒頭のオーヴェは、周囲に心を閉ざしており、非常にめんどくさいおじいさん。このまま周りに怒鳴り散らしている気難しいおじいさんのお話だったら、つまんないかも…と思っていたのも、つかの間、物語に一気に引き込まれる自分がいた。

 

劇中では、何度も自殺を図ろうとして、失敗しているオーヴェ。その都度、自身の人生を振り返るシーンがあるのだが、これが実に美しい。

幼少期から青年期、のちに妻となるソーニャとの出会いなどの物語を思い出す。彼の歩んだ人生は、波乱万丈すぎるが、そばにいたソーニャのおかげで、オーヴェの人生は、上を向いていられたんだ。彼女がオーヴェに与えた影響は、本当に大きかったと感じるシーンがいくつもあって、感動する場面もある。これらのエピソードを通じて、彼の本当の人柄を理解することができる。平坦な道のりではなかったからこそ、本当のオーヴェは、非常に人間味のある人だったんだとわかる。

最初は、ただ怒鳴っているだけのかわいそうな老人に見えていたけど、決してそうではないことを、彼が歩んできた人生を一緒に振り返ることで、視聴者も感じることができる作品だった。見た目や振る舞いで彼を判断していた自分を反省した。

 

 

隣人とのコミュニケーションの温かさ

 

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この映画の魅力は、オーヴェの隣人とのコミュニケーションにある。

共同住宅のルールの徹底、それらの管理など、嫌がられながらもオーヴェがしてきたことは、そもそも隣人との交流が盛んにされていたころであったら、もう少し普通のことに感じたのかもしれない。オーヴェのようなおじいさんがめんどくさがられるのは、お隣さんとの付き合いが減った現代を象徴しているかのようだった。

とはいえ、劇中のオーヴェは、特に冒頭、彼は心を閉ざしており、本当にめんどくさいおじいさんだった。その心を開いたのが、向かいの家に引っ越してきた家族、特にイラン出身女性、パルヴァネが本当にナイスな役どころだった。パルヴァネのような明るい人などが近所のお姉さんとしていてほしいなとみんなが思ったと感じる。

 

 

 

近くにいる孤独な人

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映画冒頭のオーヴェは、自身の心を閉ざし、非常に孤独な存在であった。オーヴェを気遣ってくれる存在が近くにいることにも、気が付くことができていないぐらいに。しかし、周りの人々のおかげで、次第にその心を開くことができたわけだ。

現実社会でも、オーヴェのような孤独な人が、たくさんいると思う。映画冒頭のオーヴェのような孤独の殻に閉じこもっている人が、より一層孤立しやすい社会であるのは、現代の抱える問題でもあると感じた。しかし、ちょっとしたコミュニケーションでも、関係って変えられるということもこの映画から学べたと思う。いきなり知らない人や隣人に親しくするのは難しいけど、できる範囲でやれることは多いと思う。この映画を見終わったとき、近くにいる人たちをより一層大切にしたいと思った。

 

 

 

まとめ

 

波乱万丈な人生を全うしたオーヴェを見ていたら、コロナでしょげてる場合じゃなくて、私も頑張らないとな~と元気になる映画でした。

正直、映画冒頭の印象からは、最後こんな感動するなんで思ってもいなくって、驚きました。2時間ぐらいの映画なので、週末鑑賞がおすすめです。

 

 

なつめ